■こんなことないですか?
Mシリーズでは、エンジンからカムチェーンの音が出るのは仕方ないことだとあきらめてますが、それとは別に「ガコッガコッ」という連続音でなんとも言えない音がでます。走行距離は3万km程度ですから心配です。。。
■Vanos(バノス)の異音にはこんな原因も!
見落としがちな盲点がVanos(バノス)にあります。タイミングチェーンだけが異音の発生源ではなく、そこに存在する燃料のフィルターが詰まるというものです。「ガコッガコッ」という異音が発生したら疑って見た方がいいでしょう。
■ポイント
ごくごく小さなフィルターですが、これが詰まると異音の原因になります。
細かなパーツですが、超緻密なメッシュになっていて、燃料などのゴミやホコリをキャッチします。このミクロの精度がさすがBMWだと言えますね。
・わずか1pほどしかない小さなパーツがVanos(バノス)のフィルターです。
これが詰まってしまうだけでもトラブルが出るというのは、いかに精密かというとの証明かもしれません。
・アルミのネジに対して樹脂製のボディが付けられています。
そのスキマには細かいメッシュが張られています。
使い捨ての消耗品パーツです。
・Vanos(バノス)のシリンダーを止めているのは6本のヘキサゴンボルト。
その横にはさらには2本のボルトがありますが、へこんでいるほうがフィルターです。
・シリンダーヘッドの脇にあります。
ヘッドカバーを外さなくても見える位置なので視認は容易です。
自分で交換することもできるかもしれませんが慎重に作業しましょう。
フィルターの設置位置はすぐにでも確認できる!
■症状のあれこれ
Vanos(バノス)のフィルターのある位置は、ヘッドカバーを外さなくても確認できます。
シリンダーヘッドの先端のちょうどカムと水平になる位置の、インテーク側にちょっとした出っ張りがあります。
これは可変時にカムを前倒しにするための調整シリンダーで6本のボルトでフタがしてあります。
しかしよく見ると6本ではなく、形の違う六角の穴が開いているボルトが2本あり、このうち、明らかに形が違い、なおかつへこんでいるボルト、これがVanos(バノス)のオイルフィルターです。
可変する時に前倒しになるカムはスプラインが切られていて、油圧で進む構造です。
このオイルフィルターが詰まると潤滑しなくなるので、可変しないという症状が発生します。
いわゆる「オーバーラップ」する時間が発生しません。
高回転にいくほどに回らなくなります。
■対策と予防
そもそも高価なオイルでないと、その性能を発揮できないといわれているのが、BMWの特徴です。
つまり一般的にいわれている「安いオイルを頻繁に変える」という方法ではだめです。
その理由の一つにはこのフィルターの詰まりもあります。
高価なオイルだとスラッジの発生などが抑制されて詰まりにくいのです。
したがって、車をおろし立てで、初期に鉄粉が出やすい時期(新車購入後、2キロ程度)に、このフィルターを交換しておくと、その後はずいぶん長い間交換しなくてもよいのです。
■概算費用
・Vanosフィルター ¥4,000〜
・エンジン脱着 ¥6,000〜